アメリカ就労ビザの種類
アメリカのビザは30種類以上ありますが、その中でも就労できるビザは限られています。アメリカにはワーキングホリデーがなく、一般的に就労ビザは管理職、特殊技能職、専門職が対象になります。ここでは代表的な就労ビザとそれぞれの対象や要件をご紹介致します。
E-1ビザ (貿易・管理職ビザ)
概要: 日米間の貿易を促進するためのビザ。日本に親会社がある会社のみ申請可能で、申請者は管理職もしくは特殊技能職であることから、日本からの駐在員が取得するケースが多い。 雇用主の申請条件: 50%以上の株を保有している親会社が日本にある米国法人で、日米間における商品やサービスの取引を相当な額や回数行っていることが条件です。E-1ビザの申請可能業種は一般的な商品の輸出入だけに限らず銀行、保険、運輸、通信、情報、広告、経理、デザイン、工学技術、経営コンサルタント、観光等でも適用されます。 申請者の申請条件: E-1ビザの申請者は管理職または特殊技能職者に限られており、管理職以外の一般従業員については対象にはなりません。また、管理職・特殊技能職としての勤務年数の条件はありません。 ビザの有効期限: 通常5年間有効なものが発行され、更新可。更新回数に制限はありません。 その他: 家族(配偶者および21才未満の子供)にはE-1ビザが発給されます。
E-2ビザ (投資家ビザ)
概要: 日本からの投資によってアメリカでビジネスを行っている会社で申請が可能なビザで、ビザ申請時には投資実績や現地従業員の雇用を証明します。 雇用主の申請条件: 投資家(オーナー)本人もしくは、50%以上の株を保有している親会社が日本にある米国法人であることが条件です。また現地雇用を促進させる会社を優先対象としている為、単に資本金だけを銀行に預金しているのではなく、実際に投資を行い、現地従業員を雇用する必要があります。 申請者の申請条件: E-2ビザの申請者は投資家(オーナー)本人、管理職または特殊技術者に限られており、一般従業員については対象にはなりません。 ビザの有効期限: 通常5年間有効なものが発行され、更新可。更新回数に制限はありません。 その他: 家族(配偶者および21才未満の子供)にはE-2ビザが発給されます。
Lビザ(駐在員ビザ)
概要: Lビザは関連企業間転勤ビザで、一般的に駐在員ビザで知られています。日本や米国外の会社の社員が、アメリカの関連会社に転勤する場合の就労ビザで、申請者は日本の親会社もしくは関連会社で1年以上の勤務経験が必要です。 雇用主の申請条件: 50%以上の株を保有している親会社もしくは提携会社が日本にある米国法人、もしくは日本の会社との関連性が証明できる米国法人が対象です。 申請者の申請条件: ビザを申請する直前の3年以内に最低1年以上、日本の親会社もしくは関連会社で、管理職または特殊技能職として勤務した社員が対象です。 ビザの有効期限: 管理職は合計7年 (新規3年 + 2年間の更新2回)で、特殊技能職は合計5年 (新規3年 + 2年間の更新1回) その他: 家族(配偶者および21才未満の子供)にはL-2ビザが発給されます。
OPTビザ(留学生用ビザ)
概要: OPTビザはOptical Practical Trainingの略で、アメリカに留学した学生が、学業終了後、学校で学んだことを実社会で実践する目的で、最長12ヶ月(理系の学生は一部例外があり)のフルタイムの就労体験ができるビザです。専攻と職種内容が一致していることが条件で、Fビザ(学生ビザ)で米国の短大、大学、大学院に在籍している留学生や、Mビザで専門学校に在籍している留学生が対象です。 雇用主の申請条件: 米国法人であれば特に細かい条件はありません。 申請者の申請条件: Fビザ(学生ビザ)で米国の短大、大学、大学院に在籍している留学生や、Mビザで専門学校に在籍している留学生で、学業終了前もしくは終了時に移民局へOPTを申請する必要があります。また仕事は専攻と関連している必要があり、移民局への申請方法やプロセス、仕事が専攻と関連しているかどうかなどはすべて在学中のInternational Student Officeに問い合わせして、手続きをします。移民局へOPT申請後、Employment Authorizationカードが届くのを待つ必要があります。 (申請して2-3ヶ月) ビザの有効期限: Fビザ(学生ビザ)の場合は、最長12ヶ月が一般的で、STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)分野の学位を取得した留学生は、24ヶ月間の延長ができる場合があります。専門学校(Mビザ)の場合は、最長期間が6か月間や9ヶ月間など学校やプログラムにより、12ヶ月未満になる場合があります。
H-1Bビザ(専門職ビザ)
概要: もっとも一般的な就労ビザとして知られ、基本的には4年制大学以上の学位を有する者に適用される専門職ビザで、専攻が仕事と一致することが条件です。近年Hビザの審査が厳格化しており、同じような仕事をするアメリカ人の給与と同等もしくはそれ以上の給与があることが必要です。専門職(例えば会計士、経営コンサルタント、コンピューター・エンジニア、建築家など)が対象なので、給与は一般職に比べかなり高く設定する必要があり、更にH-1Bビザは年間の発給数(6万5千人)が決まっており、上限を達した時点で、発給が終了します。 近年では応募者が定数の3倍以上の応募があることから、抽選になってしまい、最近ではH-1Bビザ取得のために費やす費用や労力、リスクが見合わないということから、H-1Bビザ申請をしない企業が多くなっています。またHビザ申請者の大多数がGoogleやAppleなどの大手IT企業で働くインドや中国からの優秀な技術者と言われています。 雇用主の申請条件: 雇用する職種分野で、労働省が定める平均給与以上の給与を支払える能力がある米国法人が対象です。 申請者の申請条件: 4大以上の学位を持ち、アメリカでの仕事が大学の専攻と一致していて、給与が労働省が定める平均給与以上であることが条件です。 ビザの有効期限: 合計6年 (新規3年 + 3年間の更新1回)
Jビザ(研修ビザ)
概要: 海外からの研修生に発給され、最長1年半、有給で研修できるビザです。 一般的にインターンシップ(研修)ビザとして知られ、ビジネス、科学、建築、法律、芸術などの分野でアメリカの一般企業で実務的な研修が可能です。20歳から35歳までの大学生、新卒、社会人が対象です。OPTは留学生が対象であることに対し、Jビザはアメリカ国外に居住している方が対象です。 →Jビザの詳細はこちらよりご確認頂けます。 雇用主の申請条件: 下記のすべてを満たす米国法人: ・英語のウェブサイトがある ・勤務先オフィスで従業員5名以上いる ・労災(Worker’s Compensation)に加入している ・仕事はフルタイム(週32時間以上)で、最低賃金(Minimum Wage)以上の給与設定 申請者の申請条件: 日常会話レベル程度以上の英語力があり、下記のいずれかを満たす方: ・大学・短大在学中、もしくは卒業してから12ヶ月以内に参加可能な方 ・短大以上の学位を取得済で、1年以上の職務経験がある方 ・5年以上の職務経験がある方 ※学位・職歴はすべて日本(もしくはアメリカ以外での国)でのものが必要で、学生・新卒は学歴と関連する仕事分野、社会人は職歴と関連する分野での申請が可能です。申請可能な研修分野はこちらからご確認ください。 ビザの有効期限: 最長18ヶ月間(但し学生、新卒及びホテルでの仕事は最長12ヶ月間まで)
アメリカの仕事を探すための3つの方法